伊藤 真 『高校生からわかる日本国憲法の論点』を読んで
今日読んだ本は『高校生からわかる日本国憲法の論点』(トランスビュー)という本。
題名には高校生からと書かれていますが、内容は大学生も十分満足できるものなのでしょうか?
本の構成
本の構成としては以下のようになります(何が書かれているのかざっくり知りたい人向け)。
- 改憲派の論点の提示
- 憲法改正は市民にとって何を意味するのか
- 立憲主義とは何か
- 憲法の中身(人権論と統治機構論)の紹介
- 改正草案を見るときのポイント
- 現行憲法制定の歴史ー押しつけ憲法論などを考えるー
- 憲法改正は必要か
- 草案通りに憲法が変わるとどうなるのか
感想
おそらくこの本の中で重要になってくるのが構成で示すところの後半部分(5から8)です。日本国憲法の目的や中身が何かをすでに知っているのであれば、該当部分を読み飛ばしても本書の理解に問題は無いかと思います。ただ、公共の福祉に関する説明はとてもわかりやすかったので(82ページ)、その部分は目を通した方がよいかもしれませんね。(あと、個人的には、90ページの宗教と政治がつながることの問題点の説明もよかったと思います。)
後半部分を見ることで、改憲派の主張はほとんど網羅できると思います。9条、特に自衛権・国際貢献に関する改憲派と護憲派の対立、愛国心を盛り込むべきだとする主張など憲法改正においてキーになる論点が含まれています。そして筆者は、それらの主張に対して反論を逐一行っています。反論の中身についても受け入れられる内容になっていました。
それ以外にも、自分たちが今後の憲法改正において考えなければならない点が示されていたのはよかったですね。細かいことは省略させていただきますが、憲法の歴史的背景から、憲法は改正するにしても「個人の尊重」が重視されていなければならないものなのですね。
さいごに
全体を通して、憲法で争われている点について非常に丁寧かつコンパクトにまとめてある本だと思いました。大学生でも十分満足できる内容でした!
僕は憲法しかり民法しかり専門的な法律書に足を進めていなかったので、そろそろ本格的な本に入っていってもよいかもしれませんね。
それでは。
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