E・H・カー 『危機の二十年』を読んで(1/4)
まだまだ読書の途中ですが、一旦ここまでのブックレビューをしようと思います。
今回読んでいる本は『危機の二十年』(岩波文庫)という本。
本が書かれたのは第一次世界大戦が終わり、第二次世界大戦が始まる直前です。大戦と大戦の国際的な政治情勢はどんなものだったのか。それを知るため興味本位でこの本を読んでみることにしました。
内容
現時点で第4章の所まで来ているので、第1章から第3章までの流れと感想を簡単に紹介します。
1章と2章はそれぞれ国際政治の誕生、ユートピアニズムとリアリズムについて書かれています。3章は19・20世紀のユートピアニズムについて書かれていたと思います。
第一次世界大戦が国民に国際政治への関心をもたせるようになったという著者の主張は、僕にとって新しい発見となりました。確かに国際政治に興味を持つようになる背景というのはこれまであまり気にしていませんでした。
その次の章では、リアリストとユートピアンの対立、政治の右と左の対立、官僚と学者こういった対立構造が述べられ、それぞれの特徴が端的に示されています。この章ではあまり大きな知的発見はありませんでした。
そして3章では、ユートピアニズムの背景的思想としての自由主義(※経済的意味でのそれとは異なります)、国際連盟結成に至る流れ、そしてユートピアニズムの失敗が描かれています。大変馴染みのある用語を聞いたため、個人的にユートピアニズムの失敗の部分は少し驚きました。
さいごに
岩波文庫になった途端、本に登場する人名の数が爆発的に増えることに気がついたのは僕だけではないはず。初耳な名前の方が大勢いらっしゃいました。
高校の世界史を勉強したほうが良いかもしれませんね。
それでは。
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