E・H・カー 『危機の20年』を読んで (4/4)
夏休みの中頃に読み始めたこちらの本、ようやく読み終えました。
今回読んだパートは11章~14章の部分です。いざ本を読もうと思ったら、意外とスイスイ読めてしまいました。
感想
今回の範囲は比較的内容は分かりやすかったです。というのも、この章で論じられていた部分が国際法であり、法とは何かという前期の講義で学習した内容が含まれていたからです。とはいえ、国際法については全く知らなかったので、国際法の拘束性の話については楽しみながら読ませていただきました。現行の国際法(国連憲章など)はこの著者が指摘している問題点を克服できているのでしょうか??来年度以降に現代の国際法を学ぶときに、100年前と今の条文の内容を比較してみようと思います。
また、国際法は国際的に強い立場にある国のルールに対する態度、国際的な道義(平たくいえば)国際情勢)といった、国内法とは違った要因によって遵守されなかったり、拘束力を持たなくなるという点は興味深いところです。国際法と国内法は全く別物として考えなくてはならないことがよく分かりました。
当時の、国際的な何らかの法規範によって国の安全保障をすることの難しさがよく伝わってくるパートでした。最後の章のカーの予測(例えば、国家主権が今後どのような役割を果たすのか)については、少し外れている部分が多かった気がします。
(そういえば、400頁あたりだったとは思いますが、侵略戦争と自衛戦争の区別がつかないだろうという著者の指摘がありました。吉田茂首相が似たような発言をしていましたが、首相はカーの『危機の20年』から戦争云々の話を引用してきたのでしょうか。)
さいごに
寄り道をしながら読み進めてきたせいで4ヶ月近くも要してしまいました。内容を忘れないようにするためにも、読むと決めたときにすぐ読み切る方がいい気がしますね。
それでは。
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