おりじゅのブログ

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刑法の試験を終えて。

法学部の教場試験が全て終了しました。教場試験はそれなりのプレッシャーを感じますね。今回の刑法の試験は想定よりもだいぶ簡単に感じられ、おそらく(回答ないし採点基準が分からないのではっきりとは言えませんが)単位をいただけるくらいの記述をすることができたとは思います。最終的に答案の記述量は過去最多の2ページ超となりました。

 

試験について

試験問題は他の先生と比べてもだいぶ独特で、事例の文章だけでざっと2000字ほどあり、ちょっとした小説になっていました。そんなプチ小説の中から僕が罪責について論じられそうだと思ったのは以下の2点でした。

  • Xが両手でRの両肩を突き飛ばしたところ、(中略)Rは加療30日間を要する頭部打撲傷を負った
  • Xは右手に持っていた六法をRに向かって投げつけようとした。しかしRから離れたところに立っていたMの荷物に命中し、ワイングラスが割れてしまった。

一つ目二つ目ともに構成要件該当性は問題なさそうです。但し、2点目については傷害・暴行罪ではなく、器物損壊罪が該当するだろうという記述を行いました。そして、1点目は違法性における正当防衛による違法性阻却が、2点目は責任における抽象的事実の錯誤が問題となるだろうと判断し、それぞれ該当する部分の記述の比重を多めにしました。

 

回答について

ざっくりと覚えている範囲で論点に対する自分の回答を記録しておきます。試験中の緊張感から解放されたこともあって一部の記憶が曖昧です笑。なお、括弧内の内容は試験では記述していませんので、参考程度に見ておいて下さい。

 

1点目の正当防衛の成立については、Rは言動による威嚇に終始していることからXには急迫性が認められないこと、たとえ(言動や仕草などで)急迫性が認められるとしてもXは身体的な特徴の面でRより優れていて、(他の選択肢があるのにもかかわらず暴力を選択したという意味で(<=責任要素ではないかという批判はあり得ます))防衛の相当性に問題があることから、正当防衛の成立は認められないという判断を行いました。今更ですが、過剰防衛については検討した方が良かったかもしれませんね。(XとRの両名に年齢・伸長・体重といった細かいパラメータが設定されているのはおそらくこのためでしょうか・・・?)

 

2点目の有責性の有無については、XはRに危害を加えるつもりでMの器物を損壊したのであるから(暴行・傷害罪のつもりが器物損壊罪)、Xには(異なる構成要件の間で発生した)抽象的事実の錯誤があるとし、両構成要件の間に実質的な重なり合いがない以上、Xの責任は阻却されるとの結論を下しました。

 

なお、1点目の責任と2点目の違法性についてはあまり論ずべき所もなさそうなので、ざっと検討すべき論点を並べ立てた上でさらっと書き上げてしまいました。

 

さいごに

爺さんに煽られていきなり突き飛ばしたり、六法を投げつけたりするオッサンって割とサイコパスですよね・・・。

 

それでは。