ヘルマン・ヘッセ 『車輪の下』を読んで
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放置していたドイツ文学の作品をようやく読み終えました(昨年の冬頃には読み終えている予定でしたが・・・)。今回は車輪の下(新潮文庫)を読むことにしました。
- 作者: ヘルマンヘッセ,Hermann Hesse,高橋健二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/12/04
- メディア: 文庫
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講義で紹介されていたこともあって、ストーリーの大枠は理解していましたが、それでも大変楽しく読める作品でした。特に、物語序盤に出てくるせき(堰)やのみ(鑿)に傍点が付加されている理由が最後のチャプターになるまでぴんとこない点が個人的に印象的でした(皺やクマといった、勉強に関連する用語に傍点がついているのは序盤で理解できましたが)。
容易な努力ではありませんでしたが、神学校という当時のエリートが通う学校に入学できた主人公のハンス。そこから徐々に彼が落ちぶれていくのは何ともこちらも心苦しい思いがします。この作品は以前紹介した『若きウェルテルの悩み』と同じくらい自然の描写が多いのですが、その美しい自然の描写がよりハンスの心の闇をはっきりさせるものとなっていました。そして、あまり思い切ったネタバレをするつもりはありませんが、最後の2章で彼が結果的に就くことになる職業は現代にも通じる一種の残酷さがあるような気がしました。
さいごに
この本から得られる学びは様々あると思いますが、個人的には自分のしたくない努力は(”頭痛がする”ようなことは)しなくていいということでしょうか。
それでは。