おりじゅのブログ ~九大法学部の学生によるブログ~

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模擬裁判の振り返り

この前の土曜日は僕の大学の法科大学院にて模擬裁判が実施されました。模擬裁判とは読んで字の如く、実際の裁判を自分たちで模してみようという企画です。実施場所は中心部からそう遠くない六本松。昔存在していたキャンパスの面影は見当たりませんでした。

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外観はどう見てもショッピングモールみたいですが、一応この建物の中に九大法科大学院があります。

模擬裁判では実際の事件を参考に、訴状や答弁書、陳述書、提出された証拠などが用意されており、現実の裁判の雰囲気を感じることができます(さすがに著作権の問題もあるので、模擬裁判の資料はアップしません)。参加する学生は、裁判に向けて裁判官、原告、被告チームに分かれ、各チームは独自に裁判に向けて準備を行います。

 

事件の概要

今回行った裁判は、貸した金を返せと請求する原告と、金なんて借りてないと主張する被告で生じた貸金返還請求訴訟というもの。(民事事件ですので和解という選択肢もありますが、今回は白黒を完全につける裁判の設定となっています。)

 

裁判の流れ

 本裁判は1日で口頭弁論という手続きから判決の読み上げをやってしまうので、どのチームにとっても一番大事なのは原告と被告に対する尋問の時間です。原告の弁護士チームと被告の弁護士チームが、原告・被告それぞれに対して質問をしていきます。この原告・被告人役が、今回の裁判で最も重大な責任を担っています。彼らの発言によって、裁判官の心証が決まり、判決の行方を大きく左右させるからです。

 

 一通り尋問が終わると、裁判官チームは判決を決定し判決文を書きます。裁判官チームは3チームに分かれており、判決は3つ出されることになります。原告が有利だともうメンバーで1チーム組んでいたので原告勝訴の判決が1つは出るだろうと考えていましたが、今回はどの判決も被告を勝たせる判決となってしまいました笑。なんと、原告有利チームは全員被告を勝たせるほうに考えが変わってしまったようです。尋問でここまで変わってしまうとは思いませんでした。

 

裁判後の模擬裁判に対する感想

たいした判決文を書くことができたかというとそうではありませんが、裁判官チームは一応仕事を完了させることができました。(ちなみに、原告・被告人役の間では金を貸していなかったという設定があったので、現実の裁判であれば助けるべき人の方を助けることができました。ただ、どの裁判官チームも判決文で、とあるポイントを見落としていたので現実であるならば原告はまず間違いなく控訴しているでしょう。)そんなわけで、忘れないうちに模擬裁判の感想を簡単に書いておこうと思います。2つは自分に対するもの、1つは他チームに対するものです。

 

  1. もう少し条文を振り返るべきだった:本裁判では尋問を中心に行うということもあって、資料と尋問の内容に集中してしまい、肝心の関連条文についての認識が疎かになってしまいました。(ここだけの話ですが該当する法律の条文の一部について、正しくは”署名又は押印”のところを、”署名および押印”と勘違いしていました。我ながら大変恥ずかしいミスです。とてもじゃないですがこのことは当日の模擬裁判後の打ち上げでも話せないです。)
  2. どちらからも嘘をつかれると裁判官は困惑する:尋問ではこれまでに提出された証拠以外に新たな情報が被告・原告の口を通して入ってきます。僕だけかもしれませんが、裁判官はこの新情報に耳を傾けるのにわりと精一杯で、被告役、原告役双方から矛盾した、不合理な供述を聴くとかなり混乱します。尋問後30~45分程度で判決文を書き上げなければならないことを考えると、原告が証明責任を果たしていないということにして被告を勝たせてしまおうという考えが多少頭をよぎってしまいます。(実際にそう思って被告を勝たせたわけではありません。僕は裁判前から被告有利の心証でした。)
  3. 質問に関する規則は守って欲しかった:実際の民事裁判では民事訴訟規則という裁判時の禁止事項を定める規則があり、尋問時の質問においてやってはいけないことが決められています(民事訴訟規則第115条)。例えば、証人を侮辱する質問や誘導尋問などが禁止された質問に当たります。裁判官チームは予め誘導尋問がどのようなものか教えていただいていたので、僕も誘導尋問に対する証人の回答は採用しないようしていましたが、完全に採用しないようにできていたかというとそれはおそらくNoでしょう。被告・原告チームも自分らが勝ちたいのであれば積極的に相手の規則に反する質問に異議を出すべきだと思いました。

 

さいごに

今回の模擬裁判は大変得るものが多かったイベントでした。

裁判官の仕事の大変さを思い知らされましたね。現場に行くことができない探偵のような気分でした笑。

 

それでは。

 

翌日の投稿:

 

昨日の投稿:

hanoian.hatenablog.com