おりじゅのブログ

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山本雅男『ヨーロッパ「近代」の終焉』を読んで。

久しぶりに読んだ本の報告でもやっていこうと思います。山本雅男の『ヨーロッパ「近代」の終焉』(講談社現代新書)を読破しました。

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ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)

ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)

 

 

夏休みの空いた時間に読み切りました。本当は1年の夏休み前に読み始めていたんですが、気づいたら本棚の奥底に眠ってしまい、最近読み終えるということになってしまいました。

 

内容について

 

各章の大まかな内容としては、

  1. 近代に至るまでのヨーロッパの歴史
  2. 近代におけるヨーロッパの歴史
  3. 近代ヨーロッパにおける「人間」の条件(?)=>排除の論理
  4. 二元論批判(哲学的論考を中心に)=>今日の日本政治への当てはめ

でしょうか。本の内容を一言で表現するならば、西洋の合理化の思想はいかにして生まれたのか、といったところです。

 

1章は導入も兼ねているからか、若干教養的な話が至る所に盛り込まれています。自分としては、2章目の部分が2年前期に受講していた政治学の内容に似ていたので、すらすらと読むことができました。その次の第3章で述べられている、人種や性別など何かしらの特徴に基づいて、正常なものとそうでないものとを区別する論理は、今日においても十分通用する考え方ではないかと思われます。そして、最後の4章についてですが、少数者にとっての民主主義が"納得の原理"だという主張には納得させられたものの、この章については正直あまり興味が持てませんでした。哲学的な話が多かったのも要因ですかね。

 

さいごに

高校の国語の問題に出てきそうなくらい論理構成がしっかりしていますが、その分気楽には読めない1冊ですね。

 

それでは。