おりじゅのブログ

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角山 栄 『茶の世界史 -緑茶の文化と紅茶の社会- 』を読んで

先日読んだ本の紹介をさせて頂きます。角山 栄の『茶の世界史』(中公新書)を読破しました。

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元々は経済学部の経済史Ⅰのレポート用に購入した本です。レポートを書くと期末試験が免除になりそうだったので読もうと思いましたが、読み始めたタイミングがギリギリになってしまったのでレポートは出さず、大人しく期末試験を受けることにしました笑(期末試験は満点を取れたので結果オーライといったところです)。

 

お茶自体の歴史は、その起源である中国に遡れば1000年以上前にもなりますが、本書で扱っている範囲はヨーロッパからやって来た人々が茶の存在に気づいた16世紀からになります。そのため、歴史に疎い人でも読みやすいのが本書の特徴です。本書は2部構成になっており、前半の内容としては、茶の発見、イギリスでの喫茶文化の普及、生産地の拡大が中心に、後半では鎖国を経た明治日本の日本茶の市場争いが、ロシア、アメリカ、カナダなどを例に説明されています。

 

感想

上流階級の健康飲料として受け入れられたのを契機に紅茶文化がイギリス国内に普及し、それが英国植民地での強制労働や奴隷貿易につながっていく点が、前半部分の面白い点です。

 

後半部分では、製品の粗悪性はもとより、領事館や海外留学してきた人物を利用した調査による市場調査不足、生産方法の規模を原因とする相対的な生産性およびコスト面の不利など、商品としての緑茶が諸外国で劣勢になっていく点は本書で初めて知ることができました。雑誌『エコノミスト』の凄さを感じて読みたくなるような内容でした笑。

 

さいごに

興味がある方向けにアマゾンのリンクを貼っておきます。

茶の世界史 改版 - 緑茶の文化と紅茶の世界 (中公新書)
 

引き続き積ん読の消化をしていきます・・・。

 

それでは。