『オーウェル評論集』を読んで(その3)
オーウェル評論集を読了しました。結局12章あるうち6章しか、個人的に記録する価値がありそうなものはありませんでしたが。
これまでの記録:
さて、本題に入りますが、これまで通り僕なりに要約ノートをここに残しておきますね。どちらの章の内容も大変参考になるものでした。
ナショナリズムについて (Notes on Nationalism, 1945)
- 愛国心とナショナリズムを同一視してはいけない
- 愛国心:自分にとっての最も良い場所や生活様式に持つ愛情であり、従って他人に押しつけることはできない。
- ナショナリズム:個人としての自分を捨て、国家に代表されるような特定の組織のため、より大きな権力や権威を獲得することを目指すこと。
- ナショナリスチックな思想の特徴の一つに偏執というのがある。ナショナリストは自分の組織が最も優れていると感じるため、これに反する主張になかなか同意できない。
- ナショナリストは現実無視というもう一つの特徴をもつ。自分たちが他に差別意識を持っていると、現実に彼らに行われる残虐行為を気にも留めなくなる。
- このナショナリズムに対抗ためには現実認識が鍵となる。自己の思想の偏向を認め、認めたくないことを認めるようにしよう。
出版の自由 (The freedom of the Press, 1945)
- 政府は本当に出版の検閲をしているのだろうか。本当は出版社が一般世論を恐れて、ある種の本を出版しようとしないのではないだろうか。
- 現に英国では、ソ連に対して反対の立場を取るような主張は活字にされなかったではないか。
- このままでは現在の英国には言論や表現の自由が無いことになる。
- 従って、言論の自由とは相手が聞きたがらないことを相手に告げる自由なのではないだろうか。
さいごに
これで『オーウェル評論集』は読み終えました。少々時間がかかってしまいましたが、読み進めるのが楽しかったのでよしとします。
それでは。
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